寝たきりの利用者を介助する際には『おむつ交換』の必要性があります。おむつ交換の作業は抵抗のある利用者も多く、人によっては嫌悪感を抱く場合もありますので、おむつ交換は介助者だけではなく、利用者にとっても精神的な負担がともなう行為です。
排泄を自分で行えず、おむつのまま生活しているのは、利用者の自尊心を傷つける要因にもなります。抵抗感の強い利用者の場合、おむつを拒否して自分で外してしまうこともあります。また、寝たきりの利用者は褥瘡(※①)を起こしやすく、放置すると悪化してしまう場合があります。おむつの交換の際に皮膚状態をチェックし、褥瘡やおむつかぶれなどの皮膚疾患が起きていないか確認します。そして、お肌の清潔を保ち尿路感染症を防ぐことも大切です。おむつ交換の際に声がけを行うことも安心感に繋がるので積極的に行います。利用者に触れる際や、きれいになった旨を伝えること、温度調整が適切か、不快感が残っていないかなど、適宜確認することが大切です。利用者と介助者の関係が悪化する懸念もあるため、可能な限り精神的負担を減らせるよう、スムーズに行うことを意識して講習をしております。
※① 褥瘡(じょくそう)とは寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。