MARUの思い出

介護の導入講習 ~足浴介助~

「足浴」とは、名前のとおり足だけを洗う入浴方法で、病気などによる身体的な理由で全身浴が難しい人に施す「部分浴」の一種です。清潔にするだけではなく、足の疲れを和らいだり、足先の血流を改善して全身の血行を良くしたり、リラックス効果や安眠快眠効果なども得られるといわれています。また、全身浴に比べると心臓への負担が軽減され、体力の消耗も少ないので、高血圧の方や高齢者の方、体力の少ない方などにも適した入浴方法といえます。利用者にとっても、介助者にとっても、足浴には多くのメリットがあります。マッサージや会話などのコミュニケーションをとりながら足浴を行えば、介助者と利用者の信頼関係をより深めることにもつながります。ただ足を洗うだけでなく、足浴の効果や注意点を学び、利用者の気持ちに寄り添った足浴ができるよう講習を行っています。

 

***実習生の様子***

「足浴は足だけのお風呂です」と聞いたときは、「足を洗うだけ」の単純な介助だろうと思ったそうですが、実際は、洗い始めるまでに様々な準備と調整が必要となりました。ベッドに横たわった利用者役に、膝を曲げてもらい、その下にクッションを入れ、ベッドの背の角度を調整し、バスタオルなどで膝を固定し…など、あちこちに目を配った上でやっと足浴介助を始めることができました。全ては、「利用者が安全、且つ安楽な姿勢で介助を受けることができるように…」との配慮であることを理解し、その後も「足は、かかとを持って支える」「水気はこすらず、タオルで包みようにふき取る」など、基本的な動作を一つひとつ吸収していました。

単純な介助の中にこそ、大切な理念が込められていることを実感してくれたのではないかと思います。