MARUの思い出

介護の導入講習 ~杖歩行の排泄介助~

健康なときは何も考えなくてもできる「歩く」という行為は、前後左右への体重移動や足の上げ下げなど、さまざまな動作が精密に連動することで成り立っています。また、歩くことは脳を刺激し、全身運動になります。寝たまま、座ったままでいるより血行が促進され、腸の動きが良くなり排泄リズムも整います。

杖は必ず健側(※①)に持ち、患側(※②)の足が体を支えるのを補助します。杖はもたれたり、斜めにしたりせず、まっすぐついて使います。利用者の動きを邪魔したり、むりに引っ張ったり、急がしたりするのは転倒事故につながることもあり厳禁です。時間がかかっても利用者のペースを守るようにし、杖歩行に利用者の排泄を安全に介助できるように講習を行っています。

 

※① 健側(けんそく)…痛みや麻痺のない側

※② 患側(かんそく)…痛みや麻痺のある側

 

 

*** 実習生の様子 ***

単純な構造とはいえ、杖も道具である以上、メンテナンスが必要であるため、先ずは、使用前に点検すべき項目を確認することから始めました。利用者の身体を軽く支えながらの寄り添い歩行では、万が一の際すぐに支えられる距離を保たなければならない一方で、近すぎては利用者の動きの妨げになってしまい、お互いが楽に進める程よい距離を見つけるまでに時間がかかりました。「実際に安全にある」だけでなく、「利用者に不安やストレスを与えない」ことの大切さも実感したのではないかと思います。