車いすは歩行や姿勢保持が困難な利用者さんにとって生活の幅を大きく広げる介護用品です。そんな重要な役割がある車いすが「ブレーキが効かない」「タイヤが摩耗している」「タイヤに空気が入っていない」「ネジが緩んでいる」「異音がする」などの不備があると事故につながる恐れがありますので、日々の点検や整備を行うことが重要です。事故を防ぐためにも、自分で車いすに乗って安全を確かめ、点検方法について実践を交えながら学んでいます。
まずは二人一組になり、それぞれ、たたまれた状態の車いす一台を渡されました。そこから事前説明なしで、どうやったら利用者さんに座ってもらえる形に準備できるか、あちこち触って、各パーツの役割を確かめていきました。固定されていて動かせないパーツもあれば、逆に、使用目的に合わせて動かさなければ用をなさないもの、また、どういった使い方をするのか、何のためにあるのか、はっきりしないものもあったようで、途中、相手ペアのでき具合を窺って参考にしたり、一人が座ってみて自分たちの推論を確かめたり、完成形にするまでにかなり時間がかかりました。その後、一人が片麻痺の利用者さん役で座り、どんな事故が起きうるか、それを未然に防ぐためにはどんな点検が必要かを全員で考えました。