MARUの思い出

介護の導入講習 ~食事の介護(自助具)~

自助具とは病気や障害、加齢による機能の低下で引きおこす動作困難を補ってくれる道具のことです。体の不自由な方の自立を助け、動作を補助する機能があります。

当たり前のように行っている「食事」ですが、食べ物を口に運ぶまでには複雑な動きを行っています。そのため、自助具を活用することで、1人で食事ができるようになる場合があります。

 

 

最初に通常の塗り箸を使って、小豆を一粒一粒持ち上げ、落とすことなく別の容器に移せるかどうか、やってみました。

やはり人によって上手下手があり、かかった時間には差が出たものの、三人の実習生達が最後の一粒までやりきって満足げな表情を見せていました。

講師から「反対の手でもう一度」との指示が出て、お互いの顔を見合わせながらも余裕の表情で取り組み始めました。小豆が床に落ちたりと悪戦苦闘が数分間続き、一人が自助具を手渡され使い始めると、それを見守る二人は、「お~、すごい!」「自分も早くやってみたい」といった様子で盛り上がりました。

できなかったことが自助具を使えばできるようになり、それは利用者さんの自立につながるというだけではなく、そもそも『できる喜び』というものがあることを自ら体験できたことは、今後、彼らが利用者さんのお世話をさせていただく際にも常に「覚えておきたい経験」として彼らを支え、また時には背中を押してくれるものになるのではないかと思います。